グラットンの『ライフ・シフト』では長寿化時代を乗り切るマルチステージ型の働き方として①エクスプローラー、②インディペンデント・プロデューサー、③ポートフォリオワーカーという3モデルを提示している。①と②は上達論、ゆる起業などで議論されている。副業の解禁議論もあり、ここでは③ポートフォリオワーカーを取り上げたい。
ポートフォリオとは何か。投資家は、リスクを管理のために資産を複数の金融商品に分散して投資する。その金融資産の組み合わせをポートフォリオという。
ポートフォリオワーカーはリスクを分散するという考えを、働き方にも応用した。先行き不透明な現代をひとつの活動や会社に依存することなく、様々な活動を同時並行で取り組む新しい働き方を選択しはじめている。
労働力をスキルや時間という資産と考えるのであれば、投資先が1つ(例えば1社)というのは高リスクであり、変化に富んだ現代を生き抜くために、副業、ダブルキャリアという働き方の出現は当然の流れである。
稼ぎを目的とする活動に加えて、ボランティア活動、地域との関わり、趣味などの活動とのバランスを柔軟にマネジメントする能力が求められる。
中小企業診断士はサラリーマンに人気の高い国家資格である。合格者の大半が大企業に勤務する企業内診断士である。せっかく努力して取得した診断士資格を充分に活用できず持て余している人が多いのも事実である。
ある時点で、複数の組織に属しているという2枚目の名刺や新現役あるいは企業内診断士などのワークスタイルモデルとしてグラットンのポートフォリオワーカーは参考になる。
しかしポートフォリオワーカーの難点は、その非効率性から逃れられないことが指摘されている。この点を次回考える。
5年日記、不思議な出会いである。2008年中小企業診断士に登録した。4月、渋谷で開催されたスプリングフォーラム2008に参加した。ぶらぶらしていたら野村廣治先生に5年日記を勧められた。6月、第6回五年日記オープンセミナーに参加、5年日記なるもの、良く理解できなかったが、『自分で自分を叱る』という野村先生の文言に魅かれ実践することを決意した。三多摩支部に入会したのは2009年であるから診断士活動は5年日記の会が出発点となった。
自分の性格、三日坊主、は知り尽くしているので継続できる仕組みを考えた。博文館の大型5年連用日記を購入した。7月末に南アフリカのケープタウンで開催された国際会議に出席した。その際に成田で5年日記を書くために『モンブランの万年筆』を購入した。ショパンのイメージをした万年筆である。この仕掛けは成功し10年目の現在も日記を書き続けている。
バベルの塔に興味を持ったのはいつごろからだろうか、思い出せない。直接的には旧約聖書の話、次にはドイツ文学の中野幸次氏の作品を読むようになって、彼の代表作「ブリューゲルへの旅」でこの絵画の事を知った。今世紀に入って(社)科学技術と経済の会で「技術者のためのビジネスモデル(BM)設計」に取り組み、背景の異なる人達が、技術ベースのビジネスについて意思疎通、円滑なコミュニケーションができる「共通言語」創りに没頭した。この話は別の機会に述べる。
ブリューゲル「バベルの塔」展が東京都美術館で2017.4.18-7.2の期間、開催された。じっくりと観覧する機会に恵まれた。
バベルの塔は、旧約聖書の「創世記」中に登場する巨大な塔である。バベルの塔の物語は世界にさまざまな言語が存在する理由を説明するための物語であると考えられている。同時に「石の代わりに煉瓦を、漆喰の代わりにアスファルトを」用いたという記述から、古代における技術革新について述べ、人類の科学技術の過信への神の戒めについて語ったという解釈もある。
1970年代ベルリンに留学していた。この経緯は別の機会に話すことにして今回は内閣府の『人生100年時代構想』会議を横目で見ながら人生100年時代の生き方をついて論じてみたい。
ベルリンではシュルツ、ルッパートという研究室の先輩と雑談、放談する機会が実に多くあった。その時、彼らと話した内容が、最近話題になっているリンダ・グラットンとアンドリュー・スコットの著書「ライフシフト~人生100年時代の人生戦略~」の内容に類似していることに気づいた。
教育期間を終えた後は、概ね一つの仕事で頑張り続けて現役期間を終えて、その後に長い老後期間を過ごすのが「スリー・ステージ・モデル(3・0シナリオ)」である。現在、それとは異なる人生モデルが必要なのではないかというのがグラットンの『ライフ・シフト』の問題意識である。
シュルツもルッパートも『我々の教授は教授からもらったテーマを定年までしてもやり切れなかった。准教授は定年までに途中で別のテーマを探し、することになるだろう。今の助教(彼ら)は定年まで少なくとも2つ別のテーマを探すことになる。
お前は少なくとも3つ別のテーマを探す必要に迫られる』というような主張をしていたことを鮮やかに覚えている。技術革新が研究者・技術者のワークスタイルを加速度的に変える。事実、ルッパートは仕事の内容を変えた。この書がベストセラーになる40年も前の話である。
このような背景もあり、私はベルリン時代を含めてほぼ10年毎に生き方を変える、別のテーマに挑戦するということを指針に、うまくいったかどうかは別として、67才まで生きてきた。グラットンや他の関連する著作を傍らにしばしこのテーマを考えてみたい。
11月29日(土)に富士山研修所で中小企業診断士三多摩支部の10分ゼミがあり参加しました。診断協会の数ある行事、催しの中で私が必ず出席、発表すると決めているものです。
今年は40件の発表がありました。社会、経済、政治などに関わるテーマ、生き方に関わるテーマ、中小企業診断に関わるテーマ、起業の体験談、家族・地域問題などそれは多彩で刺激的であります。
参加者は(1)情報収集、(2)プレゼンテーション力の強化、(2)懇親・人脈づくり、そして(4)人生経験の拡張と様々な目的を持って参加します。
翌日大浴場から眺める富士山、夜明けから太陽が昇るに従って一刻、一刻と変化する様はそれだけで一幅の絵です。二日酔いの頭と体をリフレッシュしてくれます。
10月10日、新宿アントレサロンビルに事務所をオープンしました。ABE創研の活動拠点にします。東京八重洲口、銀座、横浜のオフィスも活用でき、機動力が強化できました。