2018年、新年を迎えるに当たり一言ご挨拶を申し上げます。
2017年、国際政治では (1)米国トランプ政権の新機軸(「パリ協定」離脱表明、エルサレムをイスラエル首都と認定)、(2)欧州統合の一進一退(英、仏、独の選挙結果)、(3)中国の台頭(一帯一路、習近平第2期政権)、(4)宗教対立のテロ被害(英、エジプト)、(5)朝鮮半島の緊張の高まり(金正男暗殺、北の核実験、南「THAAD」配備)、の5点を特筆したいと思います。この5点からも国際政治・経済が新たな世界秩序を模索している歴史的段階に入っているという認識をしています。
ノーベル物理学賞は『LIGO(ライゴ)への決定的な貢献と重力波の検出』でした。アインシュタインが予測してからちょうど100年にして実験的に重力波を検出、素粒子物理学、宇宙の初期理論を発展させるだけでなく量子コンピューターの基盤技術にもつながるものと注目しました。
ノーベル文学賞は『イシグロ氏の力強い感情の小説は、私たちが世界とつながっているという幻想に隠されている闇を明らかにした』で長崎生まれのカズオイシグロ氏に授与されました。『日の名残り』の映画と小説で小説家イシグロ氏には注目していましたが、小説というものが人類にどのような役割をしているのか良く理解してはいませんでした。今回の受賞を機に彼のNHK白熱教室『小説論』で小説の果たす役割、そして構想力という共通した世界があることを再確認しました。日本人の高い創作性を示すものと誇りに思います。
2018年はABE創研、第II期(2017.10-20.9)の最初の年になります。第I期(2014.10-17.9)は(1)イノベーション経営、技術経営、(2)地方創生、公民連携(PPP)という二つの柱で社会的、経済的活動を展開してきました。このテーマを第II期で引き続き発展させていきます。
加えて、第II期では我が国雇用の7割を占める地域経済・中小企業の支援に力を注ぎます。また、昨年9月8日に発足した『人生100年時代構想会議』を横目に長寿社会におけるシニア世代の社会的・経済的在り方について調査研究、事業構想する所存です。
2018年はABE創研が変革する年と位置付けています。
よろしくお願いします。
2018年元旦
ABE(エイ・ビー・イー)創研
代表 阿部仁志